蔵元だより
東北の蔵に学ばせていただく社員研修(山形県)②
研修2日目は、私が蔵に帰ってきた当初から大変お世話になり、そして学ばさせていただいている天童市の出羽桜さんにお邪魔させていただきました。お忙しい中仲野社長にお時間をいただき、出羽桜の酒造りや理念についてお話していただき、その後は3年かけて改修をしていた蔵を見学させていただきました。新しい甑や新設された麹室など私が以前お邪魔させていただいた時よりも大きな進化を見る事が出来ました。そして最新の瓶詰施設は当社でも大いに参考にさせていただいた部分であり、そこも全て見せていただきました。さらに無理なお願いをして、事務所のお仕事なども見せていただきました。当社の事務の社員にとってはなかなか他の会社の事務所での仕事を見せていただく事などありませんので、大変勉強になりました。精米施設、そして最強の冷蔵施設、さらには翔太郎専務が担当するawa酒の設備も見せていただき、大いに勉強になりました。
続きまして、私が大学時代からお世話になっている、村山市の十四代さんにもお邪魔させていただきました。基本的に十四代さんは蔵見学はさせてもらえないのですが、今回私や常務だけでは無く、南部美人の社員全員に蔵を全て見せていただき、本当に高木社長には感謝の気持ちで一杯です。奥様の若菜さんも駆けつけてくれて、一緒に参加している私の妻も久しぶりの再会でとても喜んでいました。その十四代さんも私が以前お邪魔した時と比べると、とんでもない進化をしていました。私が今まで見てきた酒蔵の中でも、おそらく日本最高の施設と言っても過言ではないほど、細部まで高木社長のこだわりが行き届いていました。そして、蔵の綺麗さにおいても、すさまじいと言っていいほどの清潔さで、本当に勉強になりました。
今回お邪魔したくどき上手さん、出羽桜さん、十四代さん、全てにおいて共通しているのは蔵元の理念が蔵の施設やお酒にあらわれていること、そして清潔であること、社員の皆さんの対応が素晴らしい事でした。お酒の味を良くしていくための努力に終わりは無い事、品質を高めるために蔵は歩みを止めてはいけない事や、毎年必ず新しい挑戦をしている事など、日本でもトップクラスの地酒県である山形県は、追いかけても追いかけても追いつけないほどのスピードで進化しておりました。しかし、私たちも歩みを止める事は出来ません。今回、私も含め、全社員大いに刺激を受けた学びをしっかりとこれからの仕事に生かしていきたいと思います。
最後に、この東北の酒蔵に学ばせていただく社員研修を5年に渡り受け入れていただいた東北全ての蔵元の皆様、私の無理なお願いを快く引き受けていただき、そして隠すことなくすべてを見せていただいたご恩は一生忘れません。ご恩に報いるためには、南部美人と岩手のお酒全体がさらにレベルアップしていく事でで恩返しにしていきたいと思います。東北はひとつ、と言われ続けてきた強固な絆に感謝しながら、南部美人はさらに前に進んでいきたいと思います。今後ともどうぞよろしくお願いします。