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【不足する消毒アルコールを日本酒業界で製造出来る可能性】

昨日のNHKニュースでも流れましたが、厚生労働省が「消毒液の代わりにアルコール高濃度の酒使用を認める」という、新型コロナウィルス対策の特例を出しました。
しかし、私達日本酒業界は日本酒の製造免許はありますが、この免許では高アルコールのスピリッツなどは製造出来ません。私も以前から真澄の宮坂専務とも話していて、全国的な消毒アルコールの不足に対して、日本酒業界が何かできないか方法を探していました。
最近では高知の菊水酒造さんや明利酒類さんが高濃度アルコールのスピリッツを商品化して、飲むアルコールですが消毒にも使うことが可能、という形で販売しています。
岩手でも消毒アルコールはドラックストアなどではマスク同様全く手に入らない状況で、消毒用のアルコールを欲しいと思っている方はたくさんいると思います。
そんな中、高アルコールのお酒を製造するためには「スピリッツ」の酒造免許を取得すればよいのですが、スピリッツの新規製造免許は制限がかかっていませんが、新規で取得すると三か月近くかかってしまい、今消毒液が足りない現状に対して貢献が出来ません。

国税庁と盛岡税務署の指導を受けながら、対策を練っていた際に、平成18年の酒税法改正により、日本酒の蔵元はみなしでリキュールなどの免許も付与されていましたが、盛岡税務署が南部美人の免許を調べたところ、何とこの酒税法改正の際に同じくみなしで「スピリッツの免許」も付与されている事が判明しました。もちろん条件は多々ついているのですが、うちにスピリッツの免許がある、ということは、おそらく日本中の日本酒の蔵元に平成18年に酒税法改正によりみなしでスピリッツの免許が限定条件は付いていても持っている可能性が高くなりました。
新規で取得する場合と比べ、免許を持っていれば税務署の見解では「免許条件の緩和・解除申し出」で済みますので、圧倒的に早くスタートする事が出来ます。
しかし、これがまだうちだけの話で、他の蔵で確認が取れていません。数名の蔵元にはこの事実はお話して至急担当の税務署に問い合わせる、という話になっています。さらには危険物の取り扱いや消防法なども絡みますので、すぐにみんなでスタートとはいかないかもしれません。

でもスピリッツの免許が日本酒の蔵にあるのなら、出来る人は条件を緩和・解除して高アルコールのスピリッツの製造に出来るだけ早く入れます。やり方は様々あると思いますが、日本酒業界が国難である新型コロナウィルスの被害に対して、全国各地で厚生労働省が認める消毒アルコールを製造でき、社会へ大きな貢献をすることが可能になります。
まだまだ見つけたばかりの小さな可能性なので何とも言えませんが、是非日本酒の蔵元が力をあわせてこの国難に向かっていこうではありませんか。

日本酒の蔵元の皆さん、是非地元の国税局、税務署に免許の確認をしてみてください。そしてやれる蔵はみんなで挑戦しましょう。一つの蔵では出来るスピリッツも限りがありますが、日本中の1000近くある日本酒の蔵元と、すでにやれる可能性の高い焼酎の蔵元が手を組めば、日本の消毒アルコール不足に大きな貢献が必ず出来るはずです。
一緒にこの国難に立ち向かっていきましょう!!

■NHKニュース
https://www3.nhk.or.jp/…/html/20200413/k10012384111000.html…

■厚生労働省資料
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000611836.pdf…

■平成18年酒税法改正の蓮尾先生の解説論文
https://www.jstage.jst.go.jp/…/jbrewso…/101/7/101_7_470/_pdf

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