蔵元だより
南部美人inアメリカ、イギリス、ウィーン その19
オーストリア初のSAKEの蔵元「Sake.wien」に行ってきました。クラフトサケらしい、狭い場所で工夫をこらしてSAKEのつくりをしておりました。今回驚いたのは発酵タンクが四角かったこと。これはなかなか見た事ありません。貯蔵はあるのでしょうが、発酵タンクで四角いものを使うともろみの対流がうまくいかないような気もしますが、狭い敷地の中に丸型のタンクを入れられなかったという理由だそうです。しかもウィーンの街の中で製造しているので、ビルの半地下での製造ですから、それも確かにそうだと思いました。この四角い発酵タンクは2台あり、1台は発酵タンクで使い、もう1台はしぼりに使うそうで、それもなかなか考えたな、と感じました。まだ製造開始して1年ちょっとだそうで、これからさらに品質が高まっていく事を期待しています。
今回のワールドツアーでも獺祭blueをはじめ、たくさんの海外の蔵を見る機会をいただきました。最高の設備を投資してやる蔵から、小さいけど工夫をこらしてやっている蔵、それぞれに努力と苦労の結晶があり、それほどの思いをしてでも海外でSAKEを造る、という大きな目標に向かって行っていることに感激しました。私達は家業として代々続いてきた酒造りを絶やさぬため必死で頑張って、品質向上にも最大の努力をしています。日本、海外、お互いに切磋琢磨してこれからも頑張っていきたいと思います!