蔵元だより
【南部美人inNY、南米、欧州 その8(チリ)】
イースター島からチリの首都サンティアゴに戻りました。夢のような時間でしたし、新たに南部美人がイースター島で飲めるようになる夢も叶いました。
さて、サンティアゴに戻り、南部美人をチリで卸販売していただいている、今回もイースター島に同行いただいた「Halosur」の西井社長のオフィスで今後のチリでの南部美人の販路拡大の方向性の説明と、今後5年間の計画などの説明を受けました。その後、冷蔵倉庫を見学させていただきました。現在チリに日本酒を輸入する会社はほぼ他には無く、そのような状態でも品質管理を徹底しているHalosurさんは、日本からの船は全て低温のリーファーコンテナで運び、チリでの貯蔵管理も0度から5度の冷蔵庫で徹底的に管理しています。ブラジルのMEGA SAKEさんもそうですが、日本から一番遠い南米で、これだけ徹底した商品管理をしてくれる会社は少なく、私達蔵元にとって最高にありがたく思います。
その後、サンティアゴで新規オープンするフュージョンレストラン「Ambrosia (Carolina)」さんのオープニングパーティーに参加しました。今回はチリに一緒に来ている岡山県の「嘉美心」の藤井社長や日本からの輸出会社のBe-Bridger株式会社の小泉社長なども一緒に参加しました。すでに南部美人はこのレストランのオープニングメニューに採用されており、完全なる日本食以外のお店での展開をスタートする旗艦店となることを願っています。
夜はワインショップを併設し、チーズの卸もしているチリワインメインのレストラン「Les Dox Vins」さんにお邪魔しました。ここはオーナーはじめ、ワインソムリエばかりのお店で、ワインに対しての知見ではチリでもトップレベルのお店です。もちろん南部美人もメニューに入っています。ワインショップも一緒にやっていますので、レストランで飲んでおいしかったワインを買う事も出来ます。こちらのソムリエの皆さんはここ数年で日本酒の勉強もかなりしていて、今回は私と藤井社長で日本酒のセミナーと試飲をソムリエの皆さんに対してさせていただきました。この店では何とチリのワイナリー「VINA MARTY」が醸す「ぎんの雫 Goutte d’Argent」も置いています。きょうかい7号酵母や9号酵母を使った低温発酵ワインで、獺祭さんなどの協力で完成したワインです。このワインの件もあり、セミナーでは酵母に対しての質問がとても多かったです。実際にこのワインも飲みましたが、シャルドネの白ワインで7号酵母を使ったものは本当に日本酒の良いエッセンスが感じられ、あまりにも感動して真澄の宮坂社長室長に連絡したほどです。
こういった部分からもチリは日本酒へのかかわりのある国として、今後の高い可能性を感じました。