蔵元だより
しぼる機械の低温化
ここ数年、南部美人もそうなのですが、全国の造り酒屋さんは製造時期が昔と違い、伸びているところが多いです。いつもなら3月くらいで終わっている酒造りが4月、5月と伸びており、そうなると、仕込み蔵や貯蔵蔵などは冷蔵管理を最初からしているところが多いのですが、意外と盲点なのは、しぼる機械のヤブタなどが常温におかれると、異臭がお酒についたり、ヤブタのしぼるためのろ布がかびてしまったりします。しぼる、という作業は、一番最後まで行われる仕事で、仕込み作業が伸びれば伸びるほど、温度が高い環境にさらされます。そのようなヤブタを良い状態で稼働させるために、南部美人ではヤブタを特別な冷蔵庫に入れて、0度から3度の温度で稼働させております。東北は春も寒いのですが、それでも4月とか5月は10度を超える日もありますので、東北の蔵はこのヤブタの冷蔵に力を入れている蔵も多く、意識の高い地酒蔵はみんなやっていると思います。最後まで油断せずに酒造りをしたいと思います。