南部美人の取り組み 海外への挑戦
1997年、海外輸出を本格的にスタート
1997年、日本酒の海外輸出を志す酒造を集め、海外での日本酒の普及と日本酒の国際化を支援する任意団体「日本酒輸出協会」を立ち上げ、海外輸出を本格的にスタートし、全国でもいち早く世界に向けて販路を拡大してきました。
進出当初は、日本酒セミナー・試飲会は大盛況なものの、実際の販売数、輸出量は伸びませんでした。その間、飲食店を1軒1軒回り、営業活動を展開、さらに、英語のネーミング「サザンビューティー」を付け、ラベルも英語表記にするなど地道な努力の結果、徐々に認知度、販売数も増加しました。
転機は、21世紀を迎え、アメリカで日本食への関心が高まり、日本食レストランが多く建ったことでした。こうした店では、銘柄に関係なく新しい日本酒を置いてくれたので、販売数も輸出量も増加していきました。
地元産にこだわった酒造りのヒント
しかし、そういったお店のソムリエから1つ疑問が持ち上がる。
「どうして岩手の酒なのに岩手の米を使わないのか。」
ソムリエにとっては、地域性が大切で、「海外で販売する お酒は地元産にこだわったワインのような形にしないとだめだ。」と気付かされ、地元二戸市の酒米「ぎんおとめ」を 使った「南部美人特別純米酒」を開発しました。
現在、世界的な日本食ブームも追い風となり、南部美人では、ニューヨークやロンドンはもちろん、アラブ首長国連邦や ロシアにもルートをつくり、世界39ヵ国への輸出を行っています。
海外での評価
1997年〜2004年には、モンドセレクションで8年連続金賞以上を受賞しています。
2004年以来、全米日本酒歓評会では、連続入賞をし、「ゴールドメダル」を多数受賞しています。
2007年からは、「日本航空」のファーストクラス機内酒へ採用され、2013年から中東の航空会社「エミレーツ航空」と 「エティハド航空」の国際線の機内酒としても採用され、世界の空で南部美人が愛飲されています。
2010年には、FIFAサッカーワールドカップ南アフリカ大会の公式「日本酒」として、純米酒「南部美人」が選出され、 世界最大級のスポーツイベントを通じ、岩手が誇る文化の発信に寄与しました。
世界基準の安心安全の証「コーシャ」認定
2013年には、ユダヤ教の教義に厳格に従った安全な食品であるという証である「コーシャ(kosher)」の認定を「日本酒」と「糖類無添加梅酒」同時に取得しました。
「コーシャ(kosher)」認定を受けた食品は、海外では最も安全な食品、あるいは調味料やサプリメントであり、口に入れ人間が食べても何ら心配することがないものであるという最高権威を持って迎えられています。 アメリカでは、コーシャ食品は安全で健康的であるという考えで、消費者の55%がコーシャ食品を買うと言われています。
世界基準の安心安全の証明である「コーシャ(kosher)」の認定を日本酒とリキュールで受けた会社として、これからも世界 へ日本の伝統文化の素晴らしさをしっかり伝えていきたいと思います。