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南部美人の取り組み 日本酒の世界観を表現するジャパニーズウィスキー

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日本酒の世界観を表現するジャパニーズウィスキー

2024年12月、日本酒を含む日本の「伝統的酒造り」はユネスコの世界無形文化遺産に登録。その技を継承する日本酒の蔵元が日本酒の世界観、価値観の中で、日本酒の蔵元にしか出来ない、日本・岩手から世界を目指すジャパニーズウィスキーへの挑戦が始まった。

岩手初の蒸留所「NANBUBIJIN DISTILLERY」誕生

2023年、岩手に初のウィスキー蒸留所が誕生。日本酒「南部美人」を醸す蔵と同じ敷地内に岩手初のウィスキー蒸留施設、樽貯蔵施設を設備。最初の1号蒸留機は、日本の横山エンジニアリングのポットスチルの銅製初号機を採用。日本産にこだわりました。

日本酒の蔵元がなぜ「ウィスキー」か

日本酒「南部美人」は2024年現在、世界62か国へ輸出している。五代目蔵元久慈浩介が世界を歩くと、世界中からジャパンウィスキーの世界的な評価もあり、「南部美人の造ったウィスキーが飲みたい」と多くの声をいただいた。しかし、日本酒とウィスキーは醸造酒と蒸留酒で全く製造の仕方やお酒の種類が別。

そんな中、2020年からの世界的なコロナ禍の影響で、消毒アルコール不足から消毒アルコールの生産に着手し、そこから南部美人初の蒸留酒「クラフトジン」「クラフトウォッカ」が誕生。これがきっかけとなり、五代目蔵元久慈浩介は蒸留酒の魅力取りつかれる。

ジンやウォッカは熟成を要せずに発売するが、世界の蒸留酒の熟成の王は「ウィスキー」。蒸留酒のさらなる魅力を探り、さらなる蒸留酒の魅力を極めようと、ウィスキーへの挑戦をスタートする。

世代を超えて受け継ぐ

ウィスキーは熟成の酒。その熟成には数年から数十年の歳月を要します。日本酒は新酒から熟成古酒まで様々ありますが、メインは新酒での販売になります。

1902年に創業した南部美人は、現在の蔵元で五代目。代々久慈家で酒造りを担ってきました。初代が残した家訓「品質一筋」を120年以上守り続けて岩手県二戸市で日本酒を造り続けてきました。ウィスキーは一代の蔵元で完成を見ません。二代にわたり味の完成を見ることになるでしょう。日本酒と全く違う魅力である「熟成」。これを五代目、六代目の二代の蔵元で受け継ぎながら、遥か未来へウィスキーを継承していきます。

日本酒の世界観を表現する南部美人の
ジャパニーズウィスキーのこだわり

日本酒には様々な世界観、価値観があり、それは千数百年かけて受け継がれてきている日本の伝統文化です。その「日本酒の世界観、価値観」を最大に尊重し、考え抜いたのが南部美人のジャパニーズウィスキーとなります。

1.原料の麦芽は「日本産」を使用
日本酒の世界観、価値観では原材料は日本産となっています。現在、GI日本酒でも世界に向けて「日本酒」と言えるのは、日本産の米を使ったものだけになります。
南部美人ではこの世界観、価値観から、原材料の麦芽をスタートの時点では「日本産」としました。さらにもう1つ深堀して、現在は「東北産麦芽」で製造をスタートしています。

2.仕込む水は日本酒にも使われる仕込み水を使用
日本酒の世界観、価値観では、原料の米と同等かそれ以上に「仕込み水」は大切になります。蔵元は独自の仕込み水の水源を持ち、代々伝わる仕込み水で日本酒を仕込み続けています。米は買えますが、水は買えません。そして米は年ごとに品質が変わりますが、水は不変です。

南部美人では、1902年創業時から使用する、蔵敷地内に湧き出でる井戸水「折爪馬仙峡伏流水」を日本酒で使いますが、これと同じ仕込み水をウィスキーでも使用します。

この仕込み水の水源となる折爪岳は東北でも有数の「ヒメボタル」の群生地でもあり、夏になると100万匹を超えるヒメボタルの乱舞が見られるほど、水の綺麗で美しい山になります。

3.酵母に日本酒の酵母を使用
日本酒の世界観、価値観では、近年酵母が大変重要視されています。さらに昔から酵母はその蔵元の蔵に住み着き、その酵母を「家付き」といい、分離培養したオリジナル酵母を持つ蔵元もあります。

南部美人では三代目の時代に蔵から分離した「南部美人酵母」があり、このオリジナル酵母を発酵に使用します。ただ、ウィスキーの原材料の麦の発酵と日本酒の原材料の米の発酵では原理が少し違うため、ウィスキー用の酵母と日本酒の酵母のハイブリットでの使用をしています。

4.貯蔵熟成は日本酒を貯蔵していた「蔵」を利用
日本酒の世界観、価値観ではその昔、木樽での貯蔵が一般的でした。そこからタンク貯蔵になり現在では瓶貯蔵となっています。

南部美人では代々木樽での貯蔵から始まりタンク貯蔵までしていた昔の「蔵」をリノベーションし、タンクを全て取り去り、その蔵にウィスキー熟成用の樽を入れて、1号貯蔵庫としています。日本酒が眠り続けた蔵の歴史と微生物がウィスキーの樽熟成にどう関係するか、そこも調べていきたいと考えています。

さらに樽はバーボン、水なら、栗、シェリーなどを使用。その中でも岩手県二戸市が日本一の生産量を持ち、ユネスコの世界無形文化遺産登録もされている、世界に誇る「漆」の木を利用した樽を世界で初めて研究開発としてスタートし、岩手・二戸でしか出来ないテロワールを実現するウィスキーの熟成にも取り組みます。

挑戦は続く・・・

岩手県二戸市は京都や北海道のように大きな観光資源のあるまちではありません。しかし、酒蔵は南部美人があります。今までも世界一の称号「チャンピオンサケ」を受賞するなど、日本酒では圧倒的な知名度を日本、そして世界へ誇る「南部美人」。

その蔵元が挑戦する世界で当たり前に知られているジャンル「ウィスキー」が完成する事で、県内外、そして世界からこの二戸市にたくさんのお客さんを迎えたいと思います。

日本酒の蔵とウィスキーの蔵が同じ敷地内にあることで、日本の伝統的な日本酒と、世界の価値観であるウィスキーの蔵の両方を一緒に見学し、試飲することが可能です。

南部美人のジャパニーズウィスキーは飲んだ時に岩手の大自然、そして二戸の恵みが思い浮かぶような味をイメージしています。

日本酒と同じく「綺麗で美しい」を味のテーマに掲げ、親子二代にわたる挑戦で、岩手から世界に向けて挑戦していきます。

日本酒、ウィスキー、両方の「南部美人」を是非これからも応援よろしくお願いします。

 

*2024年12月10日より、南部美人の「本蔵」において、熟成途中のウィスキーの有料試飲をスタートしました。樽1本を使っていますので、三か月後、半年後、と同じ樽から出したものを試飲出来ますので、熟成の進み具合なども楽しむことが出来ます。何度もおいでいただく事で、ウィスキーの樽熟成の魅力を発売前に楽しめます。

なお、ウィスキーとしての発売は、早くても2027年頃になりますので、それまでは本蔵に来ていただき、熟成の状況を楽しみながらお待ちください。

★熟成途中のウィスキーの有料試飲のご案内はこちらから
https://www.instagram.com/p/DDWiGNdSlVz/